投資詐欺の「受け子」として1千万円をだまし取ろうとしたとして、兵庫県警尼崎北署は17日、東京都港区南青山4丁目の会社員坂田恵美子容疑者(51)を詐欺未遂の容疑で現行犯逮捕し、発表した。
投資詐欺の被害を2度受けた尼崎市内の女性(58)が「だまされたふり作戦」をしたことが逮捕につながったという。
署によると、被害者は6月、ユーチューブの広告画面に出てきた投資サイトから「投資のプロ」を名乗る人物とLINE(ライン)アカウントでつながり、株式投資を勧められた。
7月に100万円、8月に210万円を対面で投資会社の従業員を名乗る男に渡し、スマートフォンのアプリ上では投資したお金が増えているように見えていたという。
今月10日にさらに1千万円の投資を要求され、被害者が家族に相談し、詐欺の可能性を指摘されて署に相談。署の「だまされたふり作戦」に協力することにした。
17日正午ごろ。被害者は、イヤホンをつけた状態で現れた坂田容疑者と落ち合い、喫茶店へ。坂田容疑者はカバンから領収書のような紙を差し出し、「サインをしてください」と言ったという。
被害者から偽装紙幣の入った紙袋を受け取り、中身を確認するしぐさをしたところで、店内で客を装っていた捜査員が現行犯逮捕したという。
坂田容疑者は容疑を否認し、「依頼を受けてお金を受け取ってくださいと言われただけで、だましとった認識はありません」と説明しているという。
安井修三副署長は「SNSを利用して投資名目で現金を要求する詐欺が多く発生している。要求があった場合は警察に相談してください」と呼びかける。